東京都国立市にある保育園です。
建物の規模をできるだけコンパクトにすることで利用しやすい合理的な平面計画となるだけでなく、前面道路や隣地との間にできるだけゆとりを持たせた周辺に馴染むような計画にしています。
またこの保育園は前面道路に向かって奥行き3mの大きな軒空間があります。
園庭にいるときは園庭を覆う大きな天井のように、建物内部にいるときは外部に延長されたスペースのように感じるしつらえになっています。大きな軒空間を挿入することで2種類の性格をもった豊かな空間体験のできる建物にしました。
この保育園の大きな特徴は2階のL型に計画された保育室と倉庫、廊下の関係にあります。
L字型の平面をした保育室は部屋全体をほとんど一望できる大きな空間となっていますが、折れていることにより活動の仕方が異なる園児を緩やかに分けることできると同時に一体で管理ができる計画になっています。保育室と廊下をつなぐL字型の倉庫も単に倉庫ではなく保育室、廊下と連動してギャラリー空間やイベント時の動線等、多様な利用方法が提案できるように計画しました。
建物と隣地・前面道路の間には緑のトンネルとしたアプローチ、四季の花が咲くフラワーウォールといった緑豊かな植栽計画をすることで時間と共に建物自体も成長していくよう計画しています。