世界でもっとも重要なアーティストのひとりとされるゲルハルト・リヒターが、世界を股にかけ人道支援や地域活性を事業の柱とするNGOの活動に共感し、招待に応じて滞在した「ヴィラ風の音」で、瀬戸内海の無人島・豊島に魅せられて、作品のみならず、建物のスケッチをも描いた世界で唯一のプロジェクト。
その発案から具現化にいたるまで、アーティスト本人との打合せを重ね、時には、こちらからもデザイン提案する形で実現に漕ぎ着けました。
14枚の大きなガラス板が角度を変えながら台座の上に直立し、その上に多彩で重層的なイメージをたえず創り出す作品は、四方からの自然光を内包するシンプルな直方体の箱に収められ、その箱は、竹林の中にひっそりとたたずみます。時間や季節によりうつろいゆくイメージは、建物と一体となった作品として人々を魅了する新たな磁場を作り出します。